人生の塩となるもの

クローバーと五芒星

エンタメは不要か。

 

先日、観劇予定だった舞台『モダンボーイズ』大阪公演が中止になった。

 

こういう経験は初めてではなかったが、目の前で楽しみが消えてしまうことは本当に辛かった。

もちろん、このような状況で中止せざるを得ないことは十分理解しているつもりだ。

現に、私の周りでもコロナ陽性者が出て自宅待機になったり、もはや他人事とは言えない状況になってきている。

 

つまり中止や延期が良いとか悪いとかを言いたいのではない。エンタメが人間の生活に不必要なものであると捉えられてしまいがちな風潮が苦しいのだ。

 

私は嵐やNEWSのファンであり、年に1回のライブツアーや舞台を楽しみに生きているような人間である。

またエンタメで飯を食っているわけではないけど、趣味は音楽と楽器演奏・学生時代(この3月まで)の専攻は映像学・アルバイトはエンタメ業界といわゆるエンターテイメントが生活の大きな軸となっていた。この春からエンタメとは全く関係のない業界に就職したが、プライベートでは変わらずエンタメにずぶずぶである。

要するに私にとって、エンタメが否定されることは生活の何もかもを否定されるのと同じくらい大きいことなのだ。

この1年間で行くはずだったコンサートがなくなり、アルバイト先の仕事もなくなり、出演予定だった演奏会もなくなった。

客として、スタッフとして、出演者として、全ての悔しさを経験した。

 

もう一度言っておくが、イベントやコンサートを中止にすることが悪だと主張したいわけではない。

ただ、会社や店で働くのと同じように、エンタメの現場で日々奮闘している人たちがいることを頭の片隅に置いておいてほしい。

エンタメを活力に日々頑張っている人たちがたくさんいることをもっと考えてほしい。

 

そう思ってしまうのは私のエゴだろうか。

 

 

こんな時代だからこそ『モダンボーイズ』が観たかった。

大戦間近の日本で、エンターテイメントに生きる彼らの姿は、この世界を変える力さえも持っているのかもしれないと縋らずにはいられない。

 

いつか再演されることを願ってやまない。